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私たちはときどき取り出してみれば
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■平本くんが「優しい気持ちで誰かを思う」イメージで作ったという「withyou」という曲。聴いたとたん涙が流れてきて、あの日からギュウとなっていた心がほどかれていくのを感じた。これまでにこんなにも音楽の力を感じたことはなかったように思う。
■一方、被災地にいらっしゃる詩人の和合さんのつぶやきは、あまりにもつらくて、現実と認めたくない気にもなるが、被災地からの生のことばだ。聞かなくてはいけない声。 http://twitter.com/wago2828 ■地球、お願い鎮まって。 ■金曜日、ベリーダンスの先生をしている友人(バーNの同僚でもある)が踊るので、渋谷クラシックス(元ジァン・ジァン)へ観に行った。
彼女の踊りはベリーダンスという言葉ではくくれない独自の踊りだ。ベースに韓国舞踊があったり、彼女が自分のルーツを探究し続けていることもその原因かもしれない。 薄暗い照明の中、チョゴリを連想させるシルエットの赤い衣装をまとって彼女は現れた。薄く透ける一枚の布を頭から被り、顔は露わにされていない。その布を上手にあやつって、彼女はわたし達の視線を面白いようにもてあそぶ。「舞踏を彷彿とさせるといわれる」と彼女が言っていたように、うつくしさだけでない、身にまとう赤が生も死もエロスも連想させ、ある種の恐しささえ抱かせるほどの動きをする(痙攣、這い)。 衣装を替えて現れた彼女を見て、私はあるシーンを思い出した。昨年の秋、数人で香港に旅行した時に、私は彼女とふたりで「セントラル(中韓)」と呼ばれるエリアをショッピングして回っていた。あるセレクトショップで、ロミオとジュリエットのジュリエットがまとっているようなクラシカルなドレスを見つけて試着室に消えた彼女は、あっという間に着替えて出てきて、店内に置かれていた大きな鏡のまえでとつぜん踊り始めた。彼女はそのドレスを衣装としてチェックしていたわけだけれど、あまりに突然のできごとで、私は花が開花する瞬間に偶然出くわしたような、稀な自然現象に図らずも立ち会えたような気持ちになり、息を殺してその様子を見守った。あのときの彼女は、見てはいけないもののような、泣きたくなるような、本当に美しい生き物だった。 ―と、そのときの衣装だったので、そのシーンが一瞬フラッシュ・バックしたのだけれど、一本の薄いピンクの花を恋人のようにして踊るその晩の彼女もとてもよかった。 ■見終えて彼女にひとこと声をかけたかったが、金曜だったので私はNへと急いだ。彼女のおかげでその後も素晴らしい夜を過ごした。 ![]() ■ヒルズのABCで待ち合わせ。本屋さんが好きね、いつも。迷っていたら、迷ってる?と電話。ヒルズは迷路をつくりたかったらしい。
小谷元彦展、インフェルノ。何ものにも変えがたい体験をした。入った瞬間、足元がぐらついて地面に座り込んだ。 夜はマッターホルンの番組を、それから夜中にまた起き出して、YouTubeで『シェルブールの雨傘』のはじまりと終わりのシーンを観た。どうしようもないってこんなに悲しいのか。 そのあと、お昼近くまで眠る。 起き出して、ワンピースに着替えた私を見て、その人はねぇ、と言って私を喜ばせた。外に出て、山手線に乗り、笑いながらとなりの駅で降りていった。たった一日のわたしのすべて。 ■谷川俊太郎さんのイベントのことを姉にメールすると、
「初めて口にしたのは、レオ・レオニ さく、たにかわしゅんたろう やく、スイミーだったな。自分がれあ(娘)くらいだった頃のこと思い出したよ」 と返事が来た。 「毎日全力で。楽しかったよねぇ。子供たちがあんな日々を送れてますように」 とつづけて書かれていて、なんだか胸にしみた。 あの頃いっしょに汗だくで遊んでいた姉は、もうあの頃の私たちと同じくらいの子どものお母さんで、そのことにあらためて感動する。あれからずいぶん時がたって、私たちはそれぞれ自分で選んだ今ここにいることに感謝して。 『スイミー ちいさなかしこいさかなのはなし』 さくとえ : レオ・レオニ やく : たにかわ しゅんたろう 出版社 : 好学社 ![]() ![]() ■土曜日、ミッドタウンのTSUTAYAに谷川俊太郎さんの出版イベントへ行ってきた。今回出版された本についてネットで調べたりしているうちに、ふと御年が目に入ってきて心底驚いてしまった。「おいくつなのだろう」ということが今まで思い浮かばなかったくらいに、年齢というものから離れたところにいる感じ。実際に会ってみてもそう感じた。 ■図書館司書の姉が谷川さんのファンで、ずっとむかしに『朝のリレー』を彼女が教えてくれた時、いっきにその世界へと連れて行かれた。 ■今でもときどきこれを観てから眠りにつく夜がある。そうすると、なんだか翌日の朝を思いながら、安心して眠ることができる。ピアノ演奏は息子さんの、谷川賢作さん。 ■『夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった』も大好きで、むかし好きだった男の子が読んでいた。最近もまたある人がこの詩集をとても好きだと言ってどきりとした。 ■イベントで買った本には谷川さんが水色のペンでさらさらさらとサインをしてくださり、それをピンクの箱に入れ緑のリボンをかけてもらった。プレゼントって準備しているときの幸福のためにあるのかもしれない。 ※表題は恋愛詩ばかり集められた今回の詩集のタイトル。同タイトルのすばらしい一篇が入っています。 |
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