■夜、ヒューズがとんだ。コンロ(電気)とT-FALとエアコンとPCをつけてテレビを見ていたら、T-FALがいつもながらの「過剰な沸騰」へ向けてもり上がってゆく過程で、「パチン」という音とともに部屋の中が真っ暗になった。幸い、携帯が開いた状態になっていたので、かすかな光はあった。私は自分の行ないを棚にあげて、つかの間(一分くらい)、原因はこの「大雨」で、停電は「東京中」だと思い込んだ。一分、無抵抗でその場にいた。一分は意外と長い。菊地氏が音楽監督を務めた映画のタイトルが頭に浮かんでは消えてゆく。一分後、「ん?」と思って腰を上げ、座っていた椅子をうんしょと玄関まで運び、冷蔵庫の上のヒューズを携帯で照らしながら、黒いツマミを逆方向に押し上げると、T−FALが再びもり上がり始めた。停電、うちだけ。
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