■金曜。仕事後、新宿の朝日カルチャーへ。19時を少し過ぎていたため教室に入るとすでに、植島先生といとうせいこうさんの対談は始まっていた。「熊野」をメインに「聖地」がテーマだったが、たくさん脱線してすばらしく面白い対談だった。

■いとうさんはずいぶん前からみうらじゅんさんと一緒に「見仏記」で全国の仏像を見て回られていて、仏像がある寺には仏像以外にも仏具や焼き物や立派な庭などが必ずあるが、ふたりの中で「仏像以外は見ない!」と決めていたらしく、これまで頑なに素通りしてきたそうだ。しかし40代後半に入り、「知識人として、茶碗も庭もわからないままでいいのだろうか」と不安になってきたという。

そろそろ『この釉ぐすりはいいですね』とか言えないといけないんじゃないかと思い始めて。伊万里焼と有田焼の違いもわかんないですから

と言ういとうさんに対し植島先生は、

別にいいんじゃないですか?僕なんかバラとチューリップの違いもわかりませんよ

とひとこと。

えええーー!いや、でもそれはそれで『あの人頭おかしい』って逆に知識人っぽいですけど

というやりとりが面白かった。

その後、「花が閉じてればチューリップってわかりますけど、ほら、開いてるとね、」とふつうにおっしゃる先生に「リ、リアルに?!」とかなりときめいた。天才はやっぱり違う。

■土曜。恵比寿のtorch cafeでKっしーとお茶。Kっしーはロシア人のようなホワホワの毛の帽子をかぶっていた。先日またヤフーのオークションで通算4冊目となる宮沢章夫さんの絶版書『彼岸からの言葉』を取り憑かれたように競り落としてしまったため、あげる。実家にある残り3冊のうち2冊も同じ宮沢ホリックの友人たちにあげよう。復刊ドットコムや、mixiでは単独のコミュニティがあるほど再販を熱望されている名著の流通を、私の勝手なコレクター欲でせき止めていてはいけない。と言いつつ軽く断腸の思い。

■日曜。江戸川橋のギャラリー・ナカムラに先日出版された内田也哉子さんの『わたしのロバと王女』の朗読を聴きに行く。ギャラリーはまだ新しく、スタッフの女の子たちも、関係者らしき人たちも、お客さんの女の子たちも洒落た人が多かった。それを完全に傍観した。也哉子さんもそうだが、子供連れのカッコいい大人の人が多く、朗読が終わった後、也哉子さんが自分の子供たちに何か話している場面を見て、「自分の作る家族」というものに初めて憧れた。
■帰りに友人と早稲田まで歩き、入った珈琲店のメニューに「高いが旨い菓子・・・五百園」と書かれていたのが気になったが頼まずにいたら、後から入ってきたカップルの女性が頼んだらしく、店の主人がカウンターの上でココット皿に何やら粉を振りかけていて、その主人がまたお菓子作りとは対極にいるような人物だったのでその光景がひどく恐ろしかった。「高くて旨いが謎の粉がかかっている菓子」だとかなりハイリスクだと思うが。どうなんだろう。

コメント (3) | トラックバック (0)
コミュニティ検索 »
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://yonekura.blog10.fc2.com/tb.php/424-7d2202f0
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
コメント

こんばんは。ぼちぼちとお元気ですか。

熊野は中上健二さんの故郷。よって
「聖地」となっているんですよね。

そうか。オークションという手がありましたか。
復刊.コムにもひたすら期待していましたがアカンなあ。
なので、地元の図書館の一冊が私の唯一の頼みの綱です。

そうそうここに貼り付けてある音楽。
誰のなに ですか? よかったら教えてくださいな。
(字が小さくて読めなくて…。世話かけてすまんのう)
2007/12/04(火) 04:56 kazumi URL [編集]

kazumiさん

こんにちは。
書き込みありがとうございます。
熊野、とても行きにくいみたいですが、
だからこそ聖地、という気もしますね。

映像はbrian enoの「by the river」という曲です。
内田也哉子さんがsighboatというバンドで
カヴァーされているつながりで載せました。
そちらのver.もすばらしいのでぜひ。
2007/12/05(水) 21:51 米倉 URL [編集]

ありがとう。
寒くなったね。
風邪など召されませぬように。
2007/12/06(木) 03:06 kazumi URL [編集]







非公開コメント
プロフィール
 

米倉アツコ

  • Author:米倉アツコ
  • 本サイトはこちら↓
    ここではありません
    昔々の日記、レポート、Tシャツなどの記憶。
ブロとも申請フォーム
 
ブログ内検索