■その声を聞いたことがなかった。高校三年か大学生になったばかりの頃、あるテレビ番組でその人の部屋の写真を見て、興味をひかれた翌日、となり町の大きな図書館に出かけていって、その人について書かれた本を調べ、頁をめくってみると、年表には既に「死」が刻まれていて絶望した瞬間のことを今でも覚えている。
■澁澤龍彦。
■学生時代には誰もがそれぞれ時代に名を馳せた偉人たちに熱狂し、その対象がこの人であるパターンは少なくないと思う。端正な顔立ちと出自がうかがえるセンスと品の良さ。例に漏れず私もひかれた。しかし声。その人がどんな声をしていたかなんて考えたこともなかった。
■そこへ来てこの時代。ユーチューブ。びっくりだ。みさかいなく。なんでもあるな。どこかの誰かがネット上に書いていた。
「YouTubeに澁澤龍彦の肉声が上がっている」
職場のPCでその文章を見つけ、(ばかばかしいことに今の職場ではYouTubeは規制がかかっていて観られないので)うちに帰ってPCに直行した。「HOSOE」と名づけられた、氏と交流のあった写真家・細江英公のドキュメンタリーだった。じっと観る。最後のほうで、暗黒舞踏の創始者・土方巽の葬儀で挨拶をする彼の姿が映った。
■顔から想像できる声とあまりにもかけ離れていたため、面食らってしまった。あまりのギャップに思わず笑い出しそうになった瞬間、「ちがうわ」と気が付いた。「喉や」と思い出したのと同時に「翌年の咽頭がんによる死去」を伝えるナレーションが入った。
■二度と聞けないな本当の声。そう思いながら、初めて目にする動く映像が新鮮で、確認するように何度も観た。
■澁澤龍彦。
■学生時代には誰もがそれぞれ時代に名を馳せた偉人たちに熱狂し、その対象がこの人であるパターンは少なくないと思う。端正な顔立ちと出自がうかがえるセンスと品の良さ。例に漏れず私もひかれた。しかし声。その人がどんな声をしていたかなんて考えたこともなかった。
■そこへ来てこの時代。ユーチューブ。びっくりだ。みさかいなく。なんでもあるな。どこかの誰かがネット上に書いていた。
「YouTubeに澁澤龍彦の肉声が上がっている」
職場のPCでその文章を見つけ、(ばかばかしいことに今の職場ではYouTubeは規制がかかっていて観られないので)うちに帰ってPCに直行した。「HOSOE」と名づけられた、氏と交流のあった写真家・細江英公のドキュメンタリーだった。じっと観る。最後のほうで、暗黒舞踏の創始者・土方巽の葬儀で挨拶をする彼の姿が映った。
■顔から想像できる声とあまりにもかけ離れていたため、面食らってしまった。あまりのギャップに思わず笑い出しそうになった瞬間、「ちがうわ」と気が付いた。「喉や」と思い出したのと同時に「翌年の咽頭がんによる死去」を伝えるナレーションが入った。
■二度と聞けないな本当の声。そう思いながら、初めて目にする動く映像が新鮮で、確認するように何度も観た。
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